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●音の伝わり方 人の話し声、風の音、鳥の鳴き声等を音源とする空気の波は、集音器である耳介を通って耳穴に入り、 奥にある鼓膜や耳小骨で振動音は大きくなります。そして、蝸牛の中で振動音は電気信号に変換され、 どんな周波数(音の高さ)がどんな強さか分析し分類され、聴神経に運ばれ、最後に脳が記憶を照合し それが何の音かを決定します。この過程を経てはじめて“音”は聴こえるのです。 ●音の図書館 “音”を聴いているのは、“脳”です。耳に絶えずいろんな音が押し寄せます。それでもうるさく感じ ないのは、脳が必要な音だけを再生し、他をカットしているからです。いうなれば、いろんな音が記録 されているテープが、たくさん蔵書されている音の図書館があって、その中からほしいテープを何本か だけテープデッキで再生して聴いていると想像していただければいいでしょう。 |
「補聴器」とは、基本的に音を大きくする『増幅器』といえます。 マイクに入った音波を電気信号に変換し、増幅器で大きくして、大きくなった信号をレシーバー (スピーカー)により音波に変換して、耳に伝えるのです。 ●聴こうとする気持ちの手助けを しかし、補聴器には音や会話の内容を分析したり理解したるする事は出来ません。音を理解するのは、 あくまでも脳だからです。補聴器がいくら音を大きくして耳に伝えても、それが何の音かを理解する のは、脳であり、脳に音を伝える聴神経が機能していなければ、音を理解はできません。 そこが補聴器の限界といえます。しかし、補聴器装用者の練習と慣れによって、休んでいた聴神経を 目覚めさせる事で少しでも聴きやすくする事は出来るのです。 ●補聴器の種類 補聴器には、その形状により、大きく分けて右の3つのタイプがあります。またその中でも、難聴度、 性能によって、様々な種類があります。 聴こえの程度と、予算に見合った補聴器を選ぶ事が出来るでしょう。 |
●距離と方向を正確に 人の感覚器の中で、目と耳だけが、ふたつずつあるのはなぜでしょう。それは、視覚と聴覚の場合、 距離と方向を正確に捉える必要があるためなのです。 危険な物があったり、近づいている時に、 とっさの判断をするためにどうしても必要だからです。 ●音の距離感 たとえば、右目をとじてみて下さい。右の方が全く見えないでしょう。また、片目だけでは、距離感 がつかめません。これでは、右側をカバーするために、たえず首を回し右側を意識していなければな りません。また、片目だけで見る事になりますので、左目に負担をかける事になります。それと同じ 事が耳にも言えます。両耳装用にすると、次のような利点があるのです。そのような理由で、補聴器 を装用するのなら、最初から、両耳装用をお勧めします。 |
●一人ひとりの聴こえのために ひとくちに難聴といっても、ひとりひとりその聴こえはさまざまです。高い音が聴こえない人、 低い音がわからない人、中音が聞こえにくい人。その人のその聴こえ方に今までより的確に柔軟 に対応するため、出来たのが、デジタル補聴器です。 ●よりよい聴こえが可能に デジタル補聴器は、調整にコンピュータを使用し、マイクに入ってきた音をデジタル信号に変換 して、補聴器内部で周波数ごと(高い音や低い音)に様々な信号処理を行い、ハウリング(PP音) を抑制し装用者の難聴の種類に合わせて細かな調整が出来るのです。 例えば、マイクに入ってきた音の中から雑音部分だけ抑えたり、言葉の明瞭度に必要な子音を強調 したり、頭に響くような甲高い音を抑え耳に優しい音に変えたりと、今までの補聴器では、不可能 だった事が出来るようになり、自然な音を再現します。 なかでもNJHのデジタル補聴器は日本人対応のソフトウエアーが開発され、また最近のデジタル 信号処理技術による優れた音声処理が可能になりました。このような細かな調整が出来るデジタル 補聴器は、これから主流になると考えられています。 |
●根気強い練習が必要です。 補聴器の聴こえに慣れるためには、毎日適切な訓練や練習により、補聴器の聴こえに慣れることが 大事なのです。こんなもの使えない!と早急に判断をしたりせず、お店の方に装用の指導を受けな がら、時たま使ったりするよりも忍耐強く毎日規則正しい練習をする事が、よい結果をもたらす事 になるのです。廻り道に見えてもそれが近道なのです。 |
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